③学生ローン

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③学生ローン

もともと自分に甘かった私は大学もさぼり気味になっていった。 それでもまだその頃は最低限の授業には出席できていた。 とある日、私は友人との雑談の中、 「スロット負けちゃって今月お金やばいよ~」なんて話をした。 今考えればそこまでやばくないのだ。 普通に生活をあと何日か乗り越えればバイトの給与が入るし、仕送りも振り込まれる。 それまで我慢すればよかっただけだったのに。 「学生ローンしってる?」 友人からのこの言葉に私ははじめ恐怖を感じたのを今でも鮮明に記憶しています。 金利がとにかく安いから、学生証があればいける、保険証もだせばもっと金利が安い 友人の紹介だと初回金利がない。 様々なうたい文句を受け私は自分に負けた。 学生ローンを借りてしまった。 初めは5万円。 初めて入店したときすごくドキドキした。 悪いことをしている自覚がまだあった。 こわくて数日後すぐに返した。 しかしこれでは終わらなかった。 対面で受け付けの人に追加でお金を借りるお願いをしに行くのは正直気が引けて 行くのを躊躇していたのですが、入り口前に専用ATMが設置され会員カードを入れるだけで 追加でお金が借りることができるシステムができた。 歯止めがきかなくなった。 追加で借りると画面に残高が表示される。 残高なんかではない私のお金の残りではないのだから。 いつしかその残高を生活費として計算している自分がいました。 それでも初めのうちは 借りる→スロット勝つ→返済 と借入残金をゼロにしていました。 いつしか 借りる→スロット負ける→借りる→スロット勝つ→なぜか返さない になっていきました。 借金があるのにギャンブルで勝つと自分のお金が増えた気がして 欲しいものを買い、いいものを飲んで食べて。 完全にくずです。 心のどこかに言い知れぬ不安感は持っていました。 このままはさすがにやばいと。 それでも変えられなかった。 1社借入上限に達すると隣の学生ローンに行きまた借りる。 完全にくず、ただの多重債務者。 誰にも言えなかった。
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