チョコっとの、疑念 その1

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チョコっとの、疑念 その1

2月13日のことだ。 その日は、いつも以上に忙しなかった。 「ごめんね、(レイ)ちゃん。今日は少し急いでるの」 「そうなんだ。なんで」 「えっ?!それ聞いちゃうの!」 ボクはそんな風に聞くと、そんな風に驚かれた。理由を考えてみると、すぐに浮かんだ。と、言うよりも目の前に入ってきたのだ。カレンダーには2月13日となっている。つまり明日は2月14日。世間一般的に言われる「バレンタインデー」である。 「そういうことね。事情は察したよ。じゃあ、ボクも今日は部活を休もうかな。こんな日に来る人なんていないだろうさ」 「ご、ごめんね」 申し訳なさそうな顔をされた。 僕が「いいよ」というと、寂しげに帰っていった。 明日がバレンタインデーであるがゆえにか、所々で女性との行動が目に入る。 ボクも女子だが、そんなことはどうでも良いことだった。 「忙しないな。本当に」 人ごとのように呟いた。ただ、本当に人ごとでしかないのだ。多分、ボクと同じ考えを持つ人は少なくともこの学校に一割はいるだろう。 「リア充爆発しろ」とは思わないが。 ボクが下駄箱に行った時、ふと誰かとぶつかりかけた。 「あっ!すみません」     
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