第1章

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…普通って何?… 家を出て一人暮らしと同時に初の社会へ。 事務の仕事は毎日来る書類の仕分け、社内郵便の配達、頼まれたデータを打ち込む作業でした。 毎日毎日同じことの繰り返しで仕事が終われば家に帰り食事をして風呂にはいり寝るだけ。 父と暮らしていた頃のように叱られることに怯えなくて良くはなりましたがその緊張から一気に解放され糸が切れたようでした。 休日は1日部屋でぼーっと過ごすだけでそのうち食事をとるのさえ面倒になっていきました。 仕事は決してやりがいのあるものでも無く先輩や上司には新人だからと雑用以外任せてもらえず何のために仕事をしているのか分からなくなりました。 元々介護の仕事をやりたかったのですが学校側に求人がなく事務の求人の方が学校の副校長の知り合いで是非にといわれ就いた仕事。 やりたかった事とはかけ離れていてとりあえずどうにか家を出たいからと就職を選んだもあり家を出るという目標を果たしたので仕事をする目的が見つけられずにいました。 それからだんだんと鬱症状が出始め外に出るのが怖くなり何をするにも無気力で1日部屋で寝てばかりになってしまいました。 仕事に行かなければという気持ちと外に出たくないもう何もしたくないという気持ちがぶつかりみんなやっている事なのに「普通にできない」事でますます落ち込んでいきました。 母や父に相談しても 「目的なんかなくてもみんな普通にやっている事だから」 「普通のことができないなんて甘えてるからだ」 と言われ、出勤はしてもすぐ目眩がして気持ち悪くなり頭痛でとても仕事ができる状態ではありませんでした。 「私は普通のことも出来ない。なんでそんな当たり前のことも出来ないんだろう」 と考え続ける日が続きました。
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