こちらの世界

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練は納得した顔で [ああ、白い店が女性客が多くて、黒い店が男性客が多い感じなんですね、天使専用と、悪魔専用かあ。] [まあ、専用という訳ではないんですが、やっぱりどうしても、黒い店は男性客が多くなりますね、悪魔はタバコを吸う人が、多いんですよ。]  タバコを吸ったことのない練は、タバコのよさはわからないものの、匂いの臭さは知っている [俺もどっちかというと、タバコの臭いはいやなんですが、だいぶお腹がへっているんですよね。] それを聞いた葵は [まあ、私はどっちでも大丈夫なんですよ、家の主人は、葉巻を吸うのでタバコの煙にはなれていますから。] 練は (兼さんは葉巻を吸うのか、なにがいいんだろう?) そう思いながら、窓の外をながめていた。しばらくすると、葵が [着きましたよ、そこの店です、今、駐車場にとめますから。] そう言って駐車場に入り、入口近くに車をとめた。二人は車から降りると、まずは白い店の方へいく。店内は満席で、外に三人が椅子に座り、順番を待っている。葵は[やっぱり混んでいますね、黒い店も見てみましょう。] そう言うと、二人は黒い店へいく。ちなみに、白い店の店名はホワイトローズ、黒い店はブラックローズだ。葵は店内を見回すと、四人座れるテーブル席が、一つ空いている。     
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