こちらの世界

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練が体温計を葵に見せると、葵は [やっぱり熱が少しありますね、今日は病院へ行きましょう。] 葵はそう言うと練に朝食を食べるようにうながす。練は少し疑問に思い、葵にたずねる [髭剃りはあんなに便利なのに、体温計は普通なんですね?]  葵は少し可笑しそうに [そうですね、もっと便利な物もあるんですが、これが好きなだけですよ。] 葵はそう言うと、また朝食を食べるようにすすめる。今日の朝食は、パンとスクランブルエッグに、サラダだ。練はお腹がすいていたので、黙々と朝食を食べていると、兼が葵に話しかける [昨日の強盗に、二十万円とられた件だけど、先月と同じ方法で今日中に、お金を取り戻しとくから。] そう言うと葵は、瑞希の面倒を見ながら [そうですか、あまり無茶しないで下さいね。] といい食事を続ける。練は、食べている手を止め [先月と同じ方法って何ですか?] と質問する。兼はニヤリと笑う [まあ、帰って来てから話すよ。] そう言うと、パンにスクランブルエッグをのせ、口いっぱいに頬張る。その様子をみていた瑞希も、スクランブルエッグをパンにのせ食べる。お父さんのまねだ。瑞希は食事をし終えると、葵に口を拭いてもらいリビングへ行く、大人三人も食べ終えると、兼は出勤のため、準備に取りかかり、葵 はあとかたずけだ。練は洗面所へ行き、歯磨きを終えると、瑞希と一緒にリビングで、テレビを見る。瑞希は、テレビを見ることに一生懸命だ、ヒーローモノらしい。練も一緒にみていると、何かがおかしいことにきずく、ヒーローは男性で、悪者も男性なのだが、悪者が悪事を働きヒーローにやっつけられる、ここまではいいのだがヒーローもなぜか悪事を働くのである、これでは誰が、ヒーローなのかがわかりにくいのだ。練は少し考え込むと、瑞希に質問する [瑞希くんは、ヒーローと悪者どっちが好きなの?] すると瑞希は [どっちも好きだけど、ヒーローのほうがいっぱい好きかな、みんなをやっつけるから。] そう言うと、またテレビに釘付けだ。葵がかたずけを終えて、リビングにきたので、練は質問する [この子供番組、ヒーローも悪者も、悪いことばかりしているんですけど、子供にみせて大丈夫何ですか?] 葵は、たいして気にならない様子で [この番組は、男の子むけなんですよ、男の子はこういうのが好きなんです、私も昔は、こういう番組が理解出来なかったんですけど     
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