こちらの世界

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 [いえ、少し離れたところにあります。今日は、大きな病院へ行こうと思うので、二十五分ぐらいかかります、少し眠っていてもいいですよ。] 練はそう言われると、うとうとと眠りについた。                    [練さん、練さん、着きましたよ。] 葵の声が聞こえる、練は目を覚ますと、駐車場に車は止まっていた。 [それでは、病院の中へ行きましょう、具合はどうですか?] そう葵は聞くと、練は [ちょっと熱がありそうなんですけど、具合はそれぼど悪くはありません。] 葵はバッグを持つと [そうですか、それはよかったです、じゃあ、行きましょう。] そう言って車から降りた。練も車から降りると、二人は並んで歩きだす。 目の前には、七階建ての大きな病院がある、外壁の色は白で、階ごとに黒い色の、ストライプ模様がはいっている。中にはいると、内装は壁が白で、床が黒、ソファーや椅子は、白と黒のストライプだ。徹底している。 葵と練は受け付けへいくと、手続きをすませ、受け付け前のソファーへ腰かける。葵は一息つくと [今日も混んでますね、ここは大きな病院ですから、いろんな病気の人達がくるんですよ。] 練は辺りを見回すと、子供連れや若い男性、女性などで混雑している。練はあることに気付く [あれ、おじさんやおばさんがいませんね、老人もいない。]     
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