前書き

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最近の異世界物って何なんだろうなぁ? 前世じゃ何の取り柄も無い人間が、 転生した世界じゃチート並みの能力を手に入れて無双する物語。 最近じゃ無職でもチート、村人や農家でもチート チートチートチートチートチートチート 何でもかんでもチートだよ! そりゃチートだったら話も書き易いだろうさ。 だがそればかりじゃないだろ異世界ってのは!? 男「・・・いや、知らねぇよ。」 男の名は加治屋孝則(かじやたかのり)35歳 男は正に今異世界の入り口に門番と机を挟んで異世界について語り合っていた。 門番「いや知らねぇよじゃねぇよ! 今正にあんたが行こうとしてる世界の事だぞ?」 加治屋「だからそんな事言われても俺が知った事じゃないんだって!」 門番「まぁいいや。 あんた、何かなりたい職業とかあるか?」 加治屋「この世界に来ても仕事かよ・・・俺はもう疲れたんだよ・・・心底な。」 そう言って加治屋はどこか遠い目をしていた 門番「何があったかは聞かねぇが、 あんたが思っている様な職業とは大分違うぞ。」 加治屋「何が違うんだよ?」 門番「RPGでもよくある職業だ。冒険家や格闘家、僧侶の様なな。」 加治屋「冒険家ねぇ・・・。」 門番「冒険家はオススメしねぇぞ。何たって数が多すぎる。 皆が皆冒険に出て他に手が回ってないのが実情だからな。」 加治屋「この世界も人手不足ってのがあるんだな。」 門番「人ならいるんだ、ただ片寄りすぎてバランスが取れなくなっている。」 加治屋「まぁ、俺は冒険家にはならねぇよ。出来るだけのんびり過ごしたいし。」 門番「魔王軍ってのがあるんだが?」 加治屋「おい、何門番が悪の道を勧めてんだよ!?」 門番「こっちはまともな奴がいないんだよ! 何かと破壊したがるし、好き勝手に暴れまわるし、 前世じゃおとなし目だったのがこっちに来ると解放されたように暴れ出しやがって!」 加治屋「そりゃ相当溜め込んでたんだろ? ストレスを解消するために魔王軍に入る奴もいるんだな。」 門番「なぁ、引き受けてくれねぇか?お前の様な奴が魔王軍をまとめてくれよ!」 加治屋「嫌だ」 門番「早ぇよ!もう少し悩めよ!」
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