3章 鍛冶屋と鉱石

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研究員「ここでの立ち話も何ですし、 これから鉱石が発見された洞窟を案内しましょうか?」 加治屋「良いんですか?」 研究員「えぇ、なんせ私も人と話す事自体が久しぶりでして。 それにこの喜びを誰かと共有したいとずっと思っていましたから!」 徳井「俺も見てえな!こんな機会滅多に無いしよ!」 加治屋「・・・そうだな。俺もここまで来て帰るつもりも無いし。」 研究員「・・・ありがとうございます! では、まず安全の為ヘルメットを被って貰いますので、 休憩小屋へ行きましょう!」 そう言うと研究員の男性は意気揚々と来た道を戻って歩き出した。 徳井「・・・何か、お前に似てるな?」 加治屋「そうか?俺はあそこまで根気強くは無い。 それに俺は元々1人だったんだ。 あの人の精神は鋼鉄並み・・・ってとこか。」 徳井「何だそりゃ?」 ・・・・・・・・・・・・ その後研究員に案内されて入った休憩所には、 作業着の他にピッケルやシャベル、 その他採掘に必要な工具が丁寧に置かれていた。 加治屋「ここで寝泊まりを?」 研究員「はい、なにぶん1人なものでここも広々と使えますし、 食料も近くで畑を作っていますので意外と自炊出来ているんですよ。」 徳井「こりゃあ、採掘に集中できそうだな。よくわからんが。」 加治屋「なら言うなよ。」 研究員「確か・・・この辺りにヘルメットが・・・、あ・・・あった!」 研究員が部屋の中をゴソゴソして顔を上げると、 その手には工事現場でも使用されている黄色のヘルメットが持たれていた。 加治屋「この世界にもそんな物があったんですね?」 研究員「この世界も、生成されて18年、 技術者によって様々な物が作られて行っています。 それは先人達の知恵でもあり、 それをより進化させる事が今を生きる私達の使命、そう思っています。」 加治屋「・・・そうですね。そうでありたいです。」
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