誕生日の祝い方

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誕生日の祝い方

 十月になり、ランバートは毎日のように悩んでいる。それというのも、ファウストの誕生日が近いからだ。  一年目はどうにか祝った。二年目はなんだかんだで流れてしまってお祝いらしい事はしなかった。だから今年はと思っているのだが……正直ノープランだ。  ジェームダルとの戦後処理は順調で、来年にもラン・カレイユで三国が集まっての公式会談を開くことで話が纏まっているらしい。  隊の立て直しも徐々にだが出来てきた。二年目が育ち、三年目も逞しくなった。これなら何があっても大丈夫だと思える。  問題は王都ではなく、地方なのだが…… 「やはり、地方視察に行かなければならないな」  ファウストが難しい顔でそう呟き、報告書を投げた。  これには地方砦の隊員の成績が書き込まれている。それがどうにも芳しくないのだ。中央に精鋭が集まる状態のため、地方は緩い。  それに加えて大きな戦の後という気の緩みもあるのか、問題行動を起こす隊員もいるとのこと。  特に報告があるのが王都から一日半ほど行った先のジェンラ砦だった。 「あそこの責任者はどうも苦手なんだがな」     
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