発覚

2/6
21人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
いわゆるブラック企業で働く僕は、サービス残業、サービス出勤を含めた7連勤を乗り越え、力尽きてスーツのまま寝ていた。 僕を眠りから覚ましたのはスマホの着信音だった。 画面を見ると友人からだ。 時間は深夜の12時過ぎ。 昼間に帰ってきてそのまま寝たから半日ほど寝ていたことになる。 寝ぼけつつも電話に出た。 「もしもし」 「その声は寝てたか?ごめんな。でも大事な話なんだ。できればすぐにでも俺の家に来て欲しい」 友人は落ち着いた声ではあったが、いつもより少し早口だった。 僕は頭がしっかりと回ってなかったこともあり、1時間ほどしたら行くと言って電話を切った。 シャワーを浴びたり歯を磨いたりと準備をし、余っていた菓子パンの袋を破り、パンを口に咥え、外に出て部屋の鍵を閉めた。 アパートの敷地内からでてすぐ目の前にある自動販売機で温かいコーヒーを買って一口飲んだ。 寒さを感じる身体に染み渡っていく。 昼間には春の陽気を感じることもあるが夜中はやはり冷える。 パンとコーヒーで食事を済ませつつ歩いて友人の家に向かった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!