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【怖い商店街の話】 とある商店街の話
その商店街に並ぶ多くの店は、古くからその地に存在していた。
それぞれの店が繁盛するようにと、店同士が一丸となって切磋琢磨し、家族のように接していた。
祝い事があれば喜び合い、困ったときは助け合い、辛く悲しい時は寄り添いあった。
だから、店同士の絆はとても深かった。
その商店街を一つにまとめる長は、八百屋の長太郎だった。
責任感と決断力があり、周りから頼られていた。
一つ一つの店はけっして大きくはなかったが、その商店街に行けばある程度の物は揃うため、訪れるお客さんも徐々に増えていった。
店主はみんな気さくで、来る客は次第に顔なじみになり、悩みを聞いたり、雑談したりで賑わっていた。
商店街全体が大きな家族のようなものだった。
だから、新参の店主はなかなか溶け込めず、一年待たずして移転してしまうのだった。
月日が経つにつれ、町の開発が進んで住人もさらに増えていった。
商店街はさらに賑わい、経済的にも安泰な日々が続いた。
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