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「そうだったのね。仁保の彼ってどんな人?」
仁保はやっと愛嬌のある微笑みを浮かべた。
「山口森行さんっていうの。会社の先輩で、新人の頃に仕事を教えてもらったのよ。尊敬していたんだけど、それが恋愛感情になるのには時間はかからなかったわ。もうすでに将来の話も出ているの。結婚したら、同じ部署にはいられないし、私は家事が苦手だから退職して、しばらくは家のことに専念するつもりよ」
八千代はぎゅっと仁保を抱き締める。
「おめでとう、仁保。幸せになってね」
幼馴染の親友が結婚して、人妻になる。それは八千代にとって嬉しくもあり、不思議な感覚でもあった。
「ありがとう。結婚式には絶対に来てね」
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