7人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
「八千代ちゃん、大丈夫?」
体を動かして向きを変えると、町子の姿があった。
「町子店長……、私?」
町子が優しく八千代の髪を撫でる。
「仁保ちゃんから、八千代ちゃんが倒れたって連絡があってね。急いで病院に行ったの。仁保ちゃんと私で八千代ちゃんを車に乗せて帰ってきたのよ」
「町子店長、ご迷惑をおかけして、すみませんでした」
「いいのよ。本当に大変だったわね。仁保ちゃんも今、休んでいるわ」
八千代は喉元にこみ上げてくるものがあった。涙が溢れてくる。
「町子店長、ありがとうございました」
「いいの、いいの。だって家族じゃない? 八千代ちゃんも少し休んだほうがいいわ。落ち着くまでゆっくりしてね。千保子ちゃんのことは私に任せてね」
「本当にありがとうございます」
八千代は喉から声をしぼり出した。
最初のコメントを投稿しよう!