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家に帰ると、突然、八千代は今までの恋愛が何の起伏もない、平凡でつまらないものに思えてきた。
……邦彦さんと付き合ってきて、将来の話が出たことがあっただろうか?
これまで八千代にとって恋愛こそ命で、絶対的なものだった。しかし邦彦との別れで八千代の考え方は変わった。
……恋愛というものは、もしかしたら男女の中でそんなに都合よく探せないのかもしれない。俗にいう恋愛とは、欲であったり、エゴであったりする場合が多い。自分は本当の愛と呼ぶにはちょっと違う男性と付き合ってきたのかしら?
そんな簡単なことにも気づかず、男性の欲を満足させれば誰でもいいという輩に身も心も捧げてきてしまった自分を八千代は大いに反省する。
それからは二度と邦彦には連絡をしなかったし、邦彦からもメールや電話もなかった。
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