突然の病気

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 邦彦と別れてから、大事だと思えるものが変わってきた。 「絶対的なものが恋愛だっただなんて、私は何て子供だったんだろう?」 八千代は時々、呟く。  男女の恋愛ほど虚ろなものはない。そう思うと、邦彦との別れから、愛の代わりに仕事が急浮上してきたのだ。  ……仕事こそ一番大切なもの。仕事は自分を裏切らない。それこそ絶対的なものだわ。 八千代はそう信じていた。 「いらっしゃいませ」
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