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この寂しさ、暗さに、魅了される。自分だけではない。何人もの男や女がそうやって良多の虜になってきた。でももう、それも気にしない。
これからする行為を具体的に頭に描きながら、ヒューゴは思った。
恋愛も性愛も一生一人とだけ、と決めている。良多にすら信じてもらえないが、そういう人間もおり、それが自分という人間なのだ。諦めてほしい。
ヒューゴは指を、良多の背骨が作るラインにしたがい下へとすべらせる。それは横にそれ、腰骨を通過し、腿まできて、また引き返す。たった一本だけの指が足ぐりから布の下に潜りこむ。
これからこの指は、薄い布を中途半端に脱がせる。温かい肌と奥のもっと柔らかい内部にたどりつく。
穏やかな優しい恋人をみだらに啼かせると決めている。
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