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「おはよう」 目黒が営業部のフロアに入ってきた。 離れたところから見てもため息がでるほどに、カッコいい。 背が高いから、仕立ての良さそうなスーツが良く似合う。 はっきりした顔立ちは、正統派の二枚目だ。 目黒は翼と視線が合うと、少し目を細めて口角をほんの少しだけ上げた。 自分だけに向けられた特別な表情。そのイケメンな笑顔に胸がきゅんとなってしまう。 遠目でも十分にカッコいいチーム長は、近くでみると更にイケメンなのを私は知っている。 くっきりした二重瞼が華麗にまばたきをし、再び瞼が開いたとき、チーム長の瞳の中に自分の姿が映っていた。あの時、私は心が震えるような感動を覚えた。 あの高く美しい鼻がキスの時、私の微妙に低い鼻先に触れた。 あの薄めで形の良い唇が、私の特徴のない唇に触れ、時には挟んだり吸ったりもしたのだ。 そのどれもが夢みたいで、頭も体も地面にとろりと、とろけ出しそうになっていく。 かあっと頬を赤く染めて、翼は俯いた。 脳ミソがわいてきそうだ。チーム長のせいで私は頭がどうかなってしまいそうだ。 周りの女子社員たちがやけに高い声を上げる。 「見た?私の方見て微笑んだわー」 「やだ、目が合ったのは私よ」     
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