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後ろに立っていたのは、目黒だった。少し意地悪そうに口角を上げている。
「......なんだか忙しそうだな」
スマホを振る真似をして眉毛を上げてみせる目黒。
「い、いえ。大丈夫です。プレゼンの方は、もう一度確認しておきます」
「よし、よろしく頼むよ」
そう言って目黒は青いファイルをデスクに置くと翼の肩をポンと叩き翼のデスクから離れていく。
わざわざ来て言わなくてもいいのに。
デスクに置かれた青いファイルの表紙を開いた翼は、急いで開いた表紙を閉じた。
周りを見回して誰も見ていないことを確認する。
それから、ファイルを少しだけ開けて覗くように見た。
ファイルされた用紙の一番上に何かのカードみたいなものが挟んであったのだ。
ファイルに顔を入れるみたいにして翼はカードらしきものを確認した。
そして、ようやく顔を上げた翼は、喜びを隠しきれずに口元をもごもごさせ笑い泣きのような顔になっていた。
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