49人が本棚に入れています
本棚に追加
「迷いますよ。チーム長とは、何というか釣り合いが悪いですし」
「釣り合いなんか誰が決めた?お前は、天秤か。俺にはお前しか釣り合わない。何故なら、俺が好きなのはお前だけだからだ」
まっすぐに見つめられると、目黒の目の力を受けすぎて気が遠くなりそうになる。
「あーーもうっ一体何がお前にストッパーをかけてるんだ?」
「ストッパーとかじゃなくて…こういうのは困るんですよ」
「お前から仕掛けてきたんだろ?勝手に俺の肌にいやらしく触ってきたりして」
「いやらしくって!言い方ひどいですよ」
「だってそうだろ?好きでもない上司の顔に触ってくるなんて、ただのセクハラだよな?」
「セクハラ?」
「時代は変わったな。部下の女が上司の男に好きでもないのに。セクハラだな、セクハラ」
「すっ…好きでもなくないですよ!」
「何?!」
「だから、チーム長を好きなんですってば!」
目黒の瞳が見開いたのを見て、翼は慌てて口を押さえた。
しまった。
言ってしまった。
ついに出てしまった。勝手に口から気持ちが溢れてしまったのだ。
「言ったな、こいつ」
目黒の手が伸びてきて翼の腕を掴んだ。
引き寄せられて、ぎゅっと抱きしめられる。ふわっと微かにメンズフレグランスが香り、背中に目黒の手の温もりを感じた。
「チーム長…」
最初のコメントを投稿しよう!