第17話 見とれる程の切れ味

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「えっ!? どうして? 私のこと、あまり好きじゃない……かな?」 「特別に好悪の感情は抱いておりません」 「抱いて……ないッ!」 小気味の良い返答は切れ味バツグンである。 まるで一刀両断されたかのように、女子大生は机に頭から崩れ落ちた。 そして休憩終了を迎えるその時まで、身動ぎひとつすることは無かった。 迎えた夕方5時。 朝当番はこれにて勤務終了となる。 フォグルは着替えを終え、いつものように裏口から店を出たのだが、すぐに呼び止められた。 「フォグルくーん!」 さらに声はもうひとつある。 「フォグル君、待って!」 店長と女子大生だ。 この組み合わせには不思議なものを感じた。 少なくとも店長は勤務中であるのだから。 「何かトラブルでしょうか?」 「えっとね、フォグルくん。この後カフェにでも行かない?」 「なぜですか?」 「えっと、その、すんごく面白い動画見つけたんだぁ」 「結構です」 「ウグッ!」 女子大生は胸の痛みを覚えたようにしながら、アスファルトの上に倒れた。 「それで店長。あなたは何かご用ですか?」 「私は、あれよ。ポップのお礼をしたくって! あと2時間待ってくれたら、ご飯とか色々とできる……」 「結構です」 「グフッ!」 「早く業務に戻ってください。皆が迷惑します」 「グハァ!」 霞二段。     
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