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だけどあいつは王子様だったから、勝算はあると思ってました。」
トオルはニヤリと笑った。
「やっと付き合えて、お互いに心を許せたかなと思ったときに、
すぐプロポーズしました。」
「学生の時、だよね?親御さんは?反対とかなかったの?」
ひろこは率直に尋ねる。
そういえば、学生結婚の話は聞いていたけど
それにまつわる話は、知らない。
二人に話に興味がわいてきた。
「もちろん反対を見越して俺から話をしました。
一部上場企業の内定を取ること、3年勤めるまでは子どもは作らないこと、
二つ条件を決めて、双方の両親に話しをしたんです。」
不敵な笑みを浮かべる。
「すぐに、とは言いませんが、婚約は
今の会社の内定が取れた段階で許してもらえました。」
「ユキエさん、びっくりしたんじゃ。」
「してました。でも俺、あいつじゃなきゃダメで、毎日でも会いたくて
あいつが他の男と少しでも話をしていたら、おかしくなるくらいだったんです。」
今の穏やかなトオルからは想像できなくてひろこはびっくりした。
「今のタカヒトがあの頃の俺にそっくりで、見てられないんですよ。」
コーヒーに口をつけると、トオルは笑った。
「好きで仕方なくて、自分をコントロールできないから、
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