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〈第十七章〉年下の男の子
その後、結局ひろこの分のアンパンも平らげた王子からの提案で
二人は牛丼屋に行く事にした。
行く道すがら、ガーベラの花束を渡されると
ひろこの目から涙があふれてきた。
「ひろこさん、大丈夫!?」
王子が心配して、ポケットからくしゃくしゃになったハンカチを出して
差し出した。
「もう、汚いハンカチ!」
ひろこは泣きながら、笑い出した。
「大丈夫だよ、ありがとう。」
言いながら、そのくしゃくしゃのハンカチで涙をぬぐう。
「こういうの慣れてなくて。凄くうれしい。」
ひろこは王子の目を見ながら言った。
「喜んでくれて、ありがとう。
この花を見ていたら、ひろこさんに似てるなって思って
思わず買っちゃったんだ。
だけど、ひろこさんが泣き出したから、
花粉症とかのアレルギーが出たのかなと思って、びっくりしちゃった。」
・・・・・・そう来るか!
ひろこは一人で大笑いした。
もうこの人とは、一生一緒にいても飽きない気がする。
彼女は人目も気にせず、笑い転げていた。
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