〈第十八章〉待ち伏せその後

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「お前と連絡付かなくなって、身体だけの関係だったのかなって 泣きながら言ってたんだぜ。」 「それは、断じてないっ!」 大きな声でタカヒトが言う。 店中の注目を集めて、彼はトーンダウンした。 「前も言ったろ?お前は自分のルックスを軽く見すぎてるって。」 「そうなのかなあ?」 不思議そうに言うタカヒトを トオルは”どうしようもないな”と思いながら、見ていた。 まあ、顔を洗って鏡を見たら、 毎日この顔が映るわけである。 仕方ないのかな。と思った。 「それにしても、トオルの田中先輩にも謝らないといけないし、 カナちゃんにもお世話になったし、トオルにもユキエさんにも迷惑かけて・・・ 本当にごめん!」 タカヒトはトオルに頭を下げた。 しょぼんとしている顔を見たら、腹も立たない。 「まあいいさ、田中さんには俺が言っとくよ。 カナちゃんはタカヒトの元カノだろ? そのへんの誤解は解いたのかよ?」 トオルは尋ねた。 「うん。」 タカヒトが頷く。 ひろこさんに事情を話して、 二人でカナに菓子折りと 紅茶の詰め合わせを持ってお礼をしたのだ。 そこで初めて カナの素直な思いを聞かされて、 タカヒトとひろこは二人で驚いたのだった。 「・・・・私、カナちゃんの事誤解してた。」     
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