〈第四章〉カナのダメだし

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意地悪ついでにカナがからかうように言った。 「うっ。」 タカヒトが怯む。 「先輩と目をあわせようとしないくせに、 ひろこ先輩が見てないところだと、穴が開きそうな勢いで見てたし。」 タカヒトが耳まで真っ赤になる。 「気付いてたんだ・・・・。」 恥ずかしそうに小さい声で言った。 「知ってたよ。二人ともおかしかったし。ここ最近。」 ふふん。 と、カナは鼻で笑った。 「ひろこ先輩、痩せてフラフラしてたよ。みーんな、あなたのせい!」 カナはタカヒトを指差しながら、言った。 「あー!もう、勘弁してよぉ。」 タカヒトが頭を抱えた。 カナが高笑いする。 「早い事、プロポーズでもすることね。」 カナが言い放った。 「解決方法は、それしかないわ。」 「・・・・・やっぱりそうだよね。」 タカヒトが弱々しい声で言った。 「俺、自分に自信が無くて言えなかったけど、もうそれしかないって思ってた。」 「ふうん。バカはバカなりに結論出してたんだ。」 感心されたのか、 バカにされているのか分からない言い方だった。 多分バカにされているのだろうけど、 あまり腹も立たない。 「だって、付き合う前は3日で根を上げていたのに もう一ヶ月頑張ったんだよ。もう無理、限界!」 タカヒトは泣きそうな顔で言った。     
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