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俺の幼馴染は、コミュ症だ。
生まれた時から一緒にいるが物心ついたときには――すでに、”そう”だった。
話をする時は俯いたまま一言二言のみ。
長い前髪に覆われた目はどこを見つめているのかわからない。
人込みを嫌う彼女は学校すらも行きたがらず、出席日数のために登校はするもののいつ来ていつ帰ったのかをクラスメイトすら把握できないせいで影で忍者と呼ばれていた。
幼馴染ということで俺も忍者だと馬鹿にされることもあったけど、そのたびにどこからか吹き矢のようなものが飛んできた。
助けてくれるのはありがたいけど、忍者説に信ぴょう性が増しただけだったし、忍者に助けられたせいでしばらく「殿」って呼ばれてた。
幼稚園からこの年になるまで、俺たちの関係は何ひとつ変わっていない。
ただの幼馴染。
大学生になった今、もうちょっと進んでもいいんだけど。
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