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「次は何の嫌がらせ?」
お前にとっては、お楽しみか?
いつも通りの塩対応の俺に、同期の顔が大きく歪む。普段よりもテンション高めな声と笑顔が消え、顔を伏せた。
「何で嫌がらせなのよ、そんなわけないじゃん…」
小さな声で言い返してくる。
「じゃあ、なに?」
大きく深呼吸する。同じテンションでいくと間違えそうなので、一旦、冷静に。と思っていたら、
「いつもお世話になってるから、ちゃんとね、考えたんだよ?」
突然の絞り出すような、今にも泣き出しそうな声に文字通り固まる。辺りを見回し、まだ誰も昼休みから帰ってきてないことを確認。
今ならと思っても、抱きしめる勇気はない両手が宙を掻く。
ここまでのところ全く意味はわからないが、これは嫌がらせでも冗談でもなく、俺を思ってのサプライズだってことは理解した。
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