おまえ、本当はな

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「いや、それ絶対、信じらんないやつだから」  俺はふるふると頭を振った。 「信じろ」  一千万するキンキラキンの仏壇の前で。  じいちゃんが眼光鋭く、俺を見る。  だけど。  どう。  信じろというのだ。  この俺が。  じつは女の子だったなんて。  五月の空の下。  緑萌え盛る庭で。  鹿威しが、カッコーン、と鳴った。  
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