おまえ、本当はな

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 俺の母親は、道ゆく男どもが一人残らず振り向くくらいの美人だ。父親はそれほどでもない。中肉中背中顔だ。  一ヶ月ほど前。この二人がケンカした。  犬も食わない夫婦ゲンカをまたしている。  俺もじいちゃんもそう思って見ていた。  その矛先が俺に向いた。 「キラくんは僕の子どもじゃないかも」  とんでもないことを言い出した。  疑いをかけられた母親はブチ切れた。 「親子関係を調べれば?」 「君がその気になら、そうしよう」  典型的な売り言葉に買い言葉。  俺の染色体が徹底的に検査された。  
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