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「その結果、キラくんが女の子と判明したと」
判明した次の日。
傷心の俺は大切な彼女ちゃんである、なーちゃんに救いの手を求めた。
もちろん放課後の教室内には誰もいない。
二人だけの密談だ。
そのわりには、なーちゃんの声がでかい。
もう少し、そっとお願いしたい。
俺はナーバスになっているんだからさ。
「キラくんのお父さん、目が悪い?」
「視力はいいはずだが」
「キラくんって、お父さんそっくりなのにね」
「じいちゃんもそう言った。そしたらな」
「お母さんのほうに似ていると反論した?」
俺は首を横に振る。
「女の子は父親に似るもんだと言いやがった」
「お父さんとの親子関係判定の話は」
どうした。
なーちゃんが聞く。
「百パーセント以上親子だよ。わかった途端、俺が女の子の染色体を持っていたことに話が盛り上がって」
「優しい顔してるし。体つきも細身だしな」
「だけど俺にはおまえと言う彼女ちゃんがいる」
「あー、それ」
「まだキスもダメって言われてるけどさ」
「微妙だね」
「微妙になったな」
「わたしはキラくんが好きだけど」
「俺、女の子かも知れないってさ」
「そこはあんまり、気になんないけど」
キラくんはどうだと聞く。
どう。
俺、どうすれば、いい?
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