第26章  ヒナギクの禁忌

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   「ええ、私も。」  ソレは、それほど重要だと思わない言葉だが兄が云うのはなぜか素直に受け取れる。計算がないからも知れない。 「本当かよ。」 「真っ直ぐにいつも言葉をくれるお義兄さまは、好きです。私は、歪んでいるのに・・・」 「違うっ!!」 「お義兄、さま・・・?」  急に抱き締められて驚いた。 「そんな風に育てのは、アイツらだし。お前の所為じゃない。」 「(ほらね、抜け出せない。子どもも残せない、家でも居場所がない・・・そんなあなたの唯一の場所を壊せない。)」 「なんだよ、なにか言え。」 「お義兄さま・・・結婚しても関係を絶たないで下さいね。私には、お義兄さまが必要ですから。」 「ああ、いくらでもやる。」  兄の純粋さを利用している。判っていて兄も利用されている。  ヒナギクのように密やかに・・・。   
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