第27章  降り注ぐアネモネ

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   「ジュリ、アスさん・・・?」  エメラルドの瞳が揺れている。 「君だけなんだ。」 「(あ・・・・・・)」  彼が求めているモノが判った。図らずも別の女性と関係してしまった自分を恥じている。  そして心から謝罪してくれている。事件について2人で直接話し合った訳ではない。しかし彼の居た堪れなかったのだ。  言及は、していないのにきちんと伝わる。 「私も。私もジュリアスさんだけです。初めて人を好きになったんです。私にも・・・あなただけ。」  キスをして彼を抱き締める。幼子のように許しを乞うている彼が堪らない。  最初に逢ったときとは、ずいぶんと印象が違っている気がする。それでもここまで求められてしまえば済し崩し的でも仕方ないと思える。  自分は、彼が好きだ。 「珱月・・・」 「いいですよ。」   
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