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「悪い、起こしたか?」
目を擦って身体を起こすと彼が親衛隊の制服に身を包んでいた。
「お仕、事・・・ですか?」
「ああ、すまない。」
「いいえ、お気をつけて。」
「すまない・・・せっかく休みだったのに。用が終わったらすぐに帰るから。」
「はい、お待ちしています。」
自分を気遣ってくれているとよく判る。笑顔で見送るのが得策だと判っている。
「ゆっくり一緒に居てやれなくてすまない。」
「大丈夫です。王さまと王妃さまに宜しくお伝え下さいね。」
「ありがとう。」
「行ってらっしゃい。」
彼を見送ってからベッドに倒れた。アレから何事もなかったフリをお互いにし続けている。今さら、話し合ってもお互いに傷を覗き込むだけだしこのままうやむやにしてしまえばいい。
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