第28章  操られた上奏

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第28章  操られた上奏

   「王さま、緊急閣議とは・・・どうされたのですか?」 「皆に訊きたいことがあって呼んだまでだ。  揃いも揃ってこの上奏は、なんだ?」  呼び出しの見当くらい付いているであろう重臣たちの言葉に苛立ちながら冷静に話しを切り出した。 「国王・・・これは、政です。」 「そうでございます。」 「他の縁組みでしたらわざわざ騒いだりなどしません。」  重臣たちは、こぞって上奏通りの話しを始めた。  〝黒髪の乙女〟の出現より2日後重臣たちから上がってきた議題は、どれも国を思うフリをする者たちだ。 「ほう、そんなにジュリアスの縁組みが大事なのか?」 「ジュリアス殿は、公爵家の1人息子です。それに加えて国王を護る親衛隊長でございます。他の縁組みよりも慎重を期さねばなりません。」 「さようでございます。」   
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