第28章  操られた上奏

2/10
前へ
/404ページ
次へ
   「より良い縁組みを成さねばなりません。お怒りは、ごもっともですが私たちの忠言も訊いて頂きたく・・・。」 「お願い致します。」 「ほほう・・・〝忠言〟とな。 ((ハカ)られたか・・・そうか。それで彼女は、〝来た〟のか。  〝コトを起こす〟ねぇ・・・)」  重臣たちの言葉に先日の〝黒髪の乙女〟の口にしたことを思い出していた。 「お前たちがそこまで親衛隊長のことを心配してくれているとは、思わなかった。」 「当然でございます。」 「親衛隊長が居てこそ国王の安全が守られるのですから。」 「その通りでございます。」  重臣たちは、結託しているだけあって返して来る言葉がどれも〝国と国王を思うフリ〟に溢れている。 「そうか・・・。では、俺からもきちんと話しをしなければならんな。」  このまま言われるままになる気は、ない。   
/404ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1989人が本棚に入れています
本棚に追加