第4章  復讐の道具ですか?

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第4章  復讐の道具ですか?

   「大丈夫ですか、珱月さま。」  背中を流してくれ傍で入浴を見守ってくれているメイドのマリーが心配してくれている。 「え、ええ・・・・・・」  そう返したけれど、一つも大丈夫ではなかった。エメラルドの瞳がギラギラと冷たく光っていた。  そして両親との確執があると判った。  あの2人をやり込めたくて自分を無理矢理に異国に連れて来たのだと知ってしまった。ベッドで囁かれた言葉もやはり〝偽り〟だった。  彼は、自分の目的達成の為に〝偽装結婚〟をしようとしている。  目まぐるしく回る世界に付いていけない。 「珱月さまっ!!」 「・・・なに?」  マリーが青ざめている。 「どうしたの?」 「た、大変!タオルで押さえて下さい。」 「え・・・・・・っ」  マリーが鼻にタオルを押し当ててくる。 「もう、なんなの?」   
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