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B(東丈)「よう、ミス郁江、何しているんだい?」
A(井沢郁江)「見てわからないの、東君」
B「わからないから、聴いているんだけどな」
A「いいじゃない、物思いに耽っているのよ、あなた、そういうこと、わかんないの?」
B「わかんないから、聴いている」
A「ねえ、東君、英国に留学したこと、後悔しているんじゃない?」
B「どうして、そんなことを考えるんだよ。後悔なんかしていないって。まさか、それ、自分のせいじゃないかと気に病んでいるわけ?」
A「ええ・・GENKENの活動を途中でほっぽりだしての英国留学、でしょ。本当によかったのかな」
B「ああ、あれか。気にしなくていいよ、所詮、高校生が始めたことなんだから、みんな、あっという間に忘れるさ。俺たちが日本に戻ったころには、”そんなこと、ありましたっけ”って具合に」
A「え、そんな、生易しい話なの?東君が始めたGENKEN、日本、いや、世界中の超能力者を集めて、大宇宙から攻めてくる幻魔の軍団にそなえようってものだったはずなのに。それって、日本語では敵前逃亡って言わない?」
B「言うだろうね、郁姫」
A「じゃあ、どうして」
B「君が大事だからさ」
A「え」
B「ちうか、なんか、わかっちまったのさ。俺は、日本にいないほうが良いと」
A「え」
B「たぶん、郁姫も、それがいいと思ったんじゃないか」
A「それは、まあ、なんとなく・・・」
B「ある意味、それでいいんだ。どうも、”この世界”では、幻魔は、少なくとも、日本では俺と郁姫にターゲットを絞ったようだからな」
A「そんな・・まあ、東君は、むしろ当然だろうけど、なぜ、わたしが?わたしは、ただの女の子よ」
B「そうは、敵さんは思ってくれないようだ」
A「え・・・マジすか」
B「マジす」
A「でも、どうして」
B「さあ、それは、幻魔に聴いてほしいな」
A「でも」
B「案外、郁姫がかわいい女の子だからかな」
B「マジすか」
A「冗談だよ」
B「普通、そこは、マジす・・って答えるでしょうに」
A「ははは・・そうだね、じゃ、マジす」
B「いいよ、もう、遅いわい!」
A「トンカチでたたかないでよ」
B「しないよ、そんなこと」
A「そうか、よかった。でも、いつ幻魔が襲ってこないとも限らないからな」
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