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僕には気になっていることがあった。
彼女が持ってきてくれるお茶についてだ。
付き合い始めてから毎日僕のためにお弁当を作って持ってきてくれるのだが、一緒に持ってくる飲み物が不思議だった。
味はまずくはない。むしろ僕は好きな味だ。
紅茶の風味と不思議な味が混ざり、トロッとした感じが僕好みだ。
彼女いわく「秘密の材料と紅茶を混ぜ合わせたもの。愛は多めに入れたよ」とのことらしい。
コップに注いでくれるのだが、その色は赤みがかっているように感じる。紅茶にも赤いものがあるのでそこは特に疑問は感じなかった。
しかしその秘密の材料が何かは、ずっと気になっていた。
その材料が何かやっと発覚した。
紅茶と混ぜてみたらいつもの味だった。
ベット上で横たわる彼女の首元から流れ出てくる真っ赤な血。
あまりに綺麗だったので少し舐めてみたらすぐにピンときた。
彼女は僕に血を飲ませていたんだ!
それに気づいたらすごく嬉しくなった。すごく愛を感じた。
流れている血をコップに溜めてみてそれも味見してみた。やはり鮮度が落ちているのかいつもの味とは違う。
3分前ぐらい前に切ったばかりの首筋から流れる血は新鮮で美味しい。
きっと彼女は新鮮な血 を僕のために出して、しかも飲みやすいように紅茶と混ぜてくれていたのだろう。
もしかしたらお昼の時間になってから血を入れていたかもしれない。
そう考えたらまたまた嬉しくなった。
彼女からの愛を感じる。
あまりの愛おしさに僕は血が美しく流れる首筋にキスをした。
そのまま、まだほんのりと温かい唇にもキスをした。
僕の唇についた血が彼女の唇にもついた。
真っ赤な血が口紅のように輝く唇は美しく、いつまでも眺めていられる。
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