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良かった……。
もしも迷惑だと言われたら、私はどうしたらいいのだろうかと心の臓がドキドキしてしまった。
しかしそんな私の動揺はひた隠しにしなければ。
「わ、私は別に建殿の退屈しのぎに通っている訳ではないのです!貴方が怪我したのには私にも責任がありますから、その怪我が治るまではしっかり見届けなければ。リハビリもサボってはいけませんよ。真面目に頑張って早く治していただかないと。お医者様や看護師さんにも迷惑がかかってしまいますから!」
「そんなにキツい言い方しなくても……」
はっ!
ついいつもの調子がでてしまった。
どうして私はいつもこうなのだろう。
「食事はお済みですか?利き手を怪我して不自由でしょう。よろしければこの光成に介助させていただきたく……」
「食事は済んだよ。看護実習生の佐川さんが食べさせてくれるんだ。あんなに優しく介助してもらえるんだったら、もうずっと入院していてもいいかもな。ははっ♪」
なんですって!?
さっき病室から出てきた彼女が佐川という実習生だったのか。
「もうすぐリハビリの時間だ。せっかく来てくれたんだし光成も一緒に見学するか?」
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