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「失礼します。源さんこんにちは。リハビリの時間ですから迎えに来ました」
さっき言っていた実習生か。
本当に実習生が建先輩のリハビリを担当するのか。
「あぁ、村田先生。今日もリハビリ頑張りますから宜しくお願いします。先生、今日は私の後輩が来てくれたので一緒に見学してもらってもよろしいですか?」
実習生がこちらを見たので「お邪魔しております」ととりあえず挨拶する。
あちらも「こんにちは」と会釈をしてくれたが、あまり愛想がよくない気がした。
「見学されるのは構いません。ではリハビリ室に移動しましょう」
この病棟は七階。
リハビリ室がある三階までエレベーターで移動するらしい。
建先輩は足を怪我している訳ではないので徒歩移動だ。
「先生は慈愛大学の三年生でしたよね。私と同学年だ」
「そうですか。でしたら『先生』はやめてくれませんか。まだ実習生だから『先生』と言われるのはちょっと」
「そう?じゃあ同い年ってことでフランクにいこう。堅苦しいのは苦手なんだ。『先生』がダメなら名前で……」
実習生の名札には『村田秀一』と書いてある。
当然『村田』と呼ぶものと思った。
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