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ちらほら舞い落ちる雪の中を、僕のことなんてお構いなしに君は歩いてく。
僕は我慢できずに、白い息と共に言葉をその背中にぶつけた。
「なあ、そろそろ返事を聞かせてよ」
君は歩みを止めることなく、器用に少し振り向いて僕を見る。
「もう。せっかちなんだから! これ食べ終わったら答えたげる。だって、あなたはいなくならないでしょ?」
そうだよ。僕は君が美味しそうに食べてるパンみたいにはなくならないよ。でも、それも君の返事次第だけどね。
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