自分の手で

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まるでエレベーターに乗っているような感覚 自ら乗り込んだこの箱は 自分の意志とは関係なく 上昇下降を続けている 止まった、扉は開かない いつ動きだすのだろうか いつこの扉は開くのだろうか 再び上昇下降を繰り返す 停止している状態から動き出したときの ふわっとするような、ぞわっとするような あの感覚には未だに慣れる事は無い 暫く上昇を続けている 私は次停止した後はきっと下降が続くんだろうと 理由はわからないがあてもない確信がある そろそろ停止をする気がする 私は次に下降へ向かう未来に向けて しっかりと心構えをした エレベーターのボタンは淡く光り続けていた
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