人生依存症

5/5
前へ
/5ページ
次へ
 死に怯えるばかりで生活も人間関係もうまくいっていないし、何もかもが嫌な記憶となって僕を蝕んでくる。  生きれば生きるほど恥を積み重ねるだけなんだから、もういっその事死んでしまおう。  そうだ。それがいい。  嫌なことばかりの人生に縋り付く必要性なんて無いじゃ無いか。  決めたぞ。  俺は死ぬ。  死んでやる。  そうして死の恐怖から逃げるんだ。  と、大層な自殺願望を抱いてからもう3年は経つ。  未だ、僕は死にたく無いと思っている。死の恐怖に怯えている。  未だ、俺は死にたいと思っている。死の恐怖に耐えられていない。  あーだこーだと言いつつも、死の恐怖に怯えつつも、なんだかんだで僕は俺は生きている。  その理由なんて知らない。分からない。  けど、想像はつく。  きっと僕は人生に依存しているんだ。  死に怯え、死にたく無いと願う人生というものに縋りつき、死にたい、死にたく無いと考え続けることで生きていると実感しているんだ。  だからそう。  言うなれば、俺は人生依存症だ。  人生依存症患者だ。  だからこそ僕はまだ生きている。  そして、きっと明日からも俺は人生に依存して生きて行く。  たどり着く末に救いなどは無いと知りながら。  
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加