バーコード刑事 2

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オッサンの忠告どおり、俺は、引越しをした。 新しい部屋で、荷物をほどきながら、思う。 俺が危ない目にあった時、いつもあのオッサンが助けてくれた。 そして、あのオッサンと一緒にいた父。 もしかしたら、父がいつも俺を見守ってくれていたから、オッサンが助けてくれたのではないだろうか。 玄関のインターホンが鳴る。 モニターには宅配業者の制服を着た男が映し出されていた。 新しい家具を注文していたので、それが届いたのだろう。 玄関を開けて荷物を受け取ると、家具とは思えないほどの小さなダンボールがひとつ。 伝表の送り主には、父の名前が明記されていた。 ダンボールを開けると、水色の包装紙できれいにラッピングされた小箱と、一枚のメッセージ付きカード。 「バレンタインデーが近いので、愛をこめて、チョコを作りました」 どうやら、この小箱は、父の手作りのチョコが入っているらしい。 どういうつもりだ。 気色悪い。 カードには、一枚の写真がついていた。 バーコード頭で、魅惑の脚を持つ、セーラ服のあのオッサンと、隣には、同じようにセーラ服を着た親父。 ふたりが肩を組んで笑っている。 「親父!?」 to be continued
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