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 そして僕は高校生になった。  ヴァレリアは高校には進学せず、高卒認定試験を受けて大学に進学を目指すことにしたようだ。僕の国では、国を発展させるため教育と研究開発に力を入れ始めており、大学には様々な国から人材が集まってきていた。だから、ヴァレリアを取り巻く環境も、大学に行けば変わるとの考えであった。  もちろん、依然としてヴァレリアが不安に感じていたのは事実であるから、僕らは同じ大学に進学することを目指すことに決めたのだった。  そんな僕らに、タイタニア火山の活動がようやく沈静化に向かったいうニュースが飛び込んできた。小規模な火山活動は未だ続いていたものの、大規模な火山活動はここ数カ月起こっていないということであった。  依然として楽観視出来ない状況ではあるが、このまま鎮静化に向かえば、これから地球規模の寒冷化はゆっくりと回復に向かうと予想されていた。  僕とヴァレリアはお互いにはげましあって、懸命に受験勉強を続け、そして僕たちは第1志望であった、この国でもトップクラスの大学に合格することが出来たのである。  海外の大きな商社と取引することが増えた僕の両親は、学歴コンプレックスがあったようだ。だから、僕が有名な大学に合格したことは、非常に誇らしいことだったらしい。
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