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 ある朝、僕はいつも通りヴァレリアと一緒に並んで歩きながら中学校に登校していた。  遠くに見えるナヴァル山の頂上付近は通年で気温が氷点下を上回ることがほとんどなくなり、その頂は降り積もった万年雪によって、白く化粧を施されたようになっていた。  タイタニア火山は大噴火から4年が経過しようとしているのにも関わらず、今も活発に噴煙を噴き上げていると聞いた。  いったい、いつになったら噴火はおさまるのだろう?  そんなことを考えながら、歩いていると、視界の中に中学校の正門が入ってきた。  すると、ヴァレリアは急に立ち止まり、かばんの中をゴソゴソと何やら探し出した。そして細長い包みを取り出すと、僕に差し出した。 「これ、欲しがっていたでしょう?」  それはヴァレリアが使っていて、僕が興味を持った外国製のシャープペンシルであった。ヴァレリア曰く、それほど高価なものではないらしいが、この国では限られた店でしか取り扱いのない、珍しいものである。  僕が大喜びすると、ヴァレリアは僕の顔を見て嬉しそうにこう言った。 「お揃いだね。」
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