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その日からヴァレリアは僕の通う中学校からいなくなった。
休み時間にヴァレリアのクラスの教室をのぞくと彼女の姿が見当たらないので、僕はヴァレリアがどこにいるのか、いつものように彼女のクラスの女子にたずねた。
「知らないの?」
ヴァレリアの居場所を聞いた僕を彼女は不思議そうな顔で見た。
「ヴァレリアは転校したよ。」
彼女は朝から学校には来ていないらしい。僕は職員室に行き、先生にヴァレリアのことを聞いた。
どうやらヴァレリアは今日、転校の手続きのために学校に顔を出しただけだったらしい。僕はヴァレリアが転校した理由や転校先について先生から聞き出そうとしたが、個人情報のため教えられないと拒否された。
学校が終わって僕がヴァレリアの住む洋館を訪ねると、彼女とその家族はすでにいなくなった後であった。
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