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リサック教授に、その結果を伝えようと視線を向けた。
彼女は、咄嗟に笑顔を作った。ポーカーフェイスだ。
「なんですか? 苦しい部分でも?」
と彼女は大きく声を出した。周りにわざと聞こえるようにだ。僕の右の耳元に唇を近づけてきた。
小声で、
「どう、わかった?」
「ええ、後ろの3人の男性スタッフ、その若い2人がマッチと、表示されています。老齢の方は人間のようです」
「わかった」
教授は僕から離れ、後ろを振り向いて、
「実験は成功。人間のスピリッツをオーパーツの物質に転送が出来ました。しばらく経過を観ますが、ほぼ、問題ないようです」
「そうですか。教授。しかし、何の意味があって、そのようなことを?」
と、後ろの男、アンドロイドと思われる一人が話し駆けてきた。
「いえいえ、物質チェックです。これから大学にレポート制作が忙しいわ」
と、リサック教授は笑顔を彼らに向けた。作り笑いだ。
僕のアンドロイド識別センサー機能。そのDNAサーチプログラムは秘密にしないといけないようだ。
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