はじめまして

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気がつけば、私はまた黒塗りの高級車に乗っていた。外をぼんやりと眺めながら、お嬢様から聞いた話を思い出していく。 「貴女には、彼女の・・・水仙の心を溶かして欲しいのです。」 そんなこといきなり言われても、初対面で何も知らない私に何ができると言うのだろう? 「水仙は、とある事情から部屋へ閉じ籠っているのです。双子である私にも何も話してくれなくて・・・・。昔はもっと活発で明るい子でしたのよ?とても小さい頃の事ですけど・・・。」 お嬢様の顔が陰る。辛い話なのだろう。それ以上のことは聞けなかった。 「なんで、私なんだろう。」 いつか、説明してもらえるのだろうか。私の心の中には大きな不安が渦巻いていた。
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