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何を食べたいのか考えていて欲しいと言うなり、新聞を折りたたむと、席をたち部屋に入ると、ゴソゴソと着替えを始めている。
私はこの状況を変えたいと思い、本当はやってはいけないのだろうが、旦那の跡をつけることにした。
しかし、ただ尾行するだけでは、どこかのタイミングで見失う可能性もあったので、予め五千円ほど入金した電子マネー入りのICカードを用意していた。
これで、もし公共の交通機関を使われてもわざわざ切符買うような無駄な行為はしなくとも済む。
車での移動も考えたが、最近は車をあまり使わずに移動していることがほとんどで、本人曰く、健康のためと言っていた。
男性の身だしなみを整えるのははやく、直ぐに部屋から出てきて、玄関を出ようとしている。
私は、小さい声で「行ってらっしゃい」とだけ呟くと、裏口から家をでて跡をつけていくが、怪しまれないように、一定の距離をおくのが難しく、不審者に思われても不思議ではないと感じたが、ここまできたのだから、最後までやり遂げようと誓う。
行先は単純で、地下鉄でわずか一駅分のところで、電車を降りると、慣れた足取りでホームから出ていく。
向かったさきは、小奇麗な宝石店で、何かを買おうとしているが、この宝石は私にはこないのがわかっている。
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