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なぜならば、私の誕生日はずいぶん前に過ぎていて、また息子に贈るモノとは到底思えない。
ならば、あれは誰のもとにいくのか?
モヤモヤとした、不安な感情が私を覆いつくしていくのが、つま先から頭の先まで感じられた。
あの人が隠していたヘソクリの金額は、それほど多くはないが、けっして少ない金額ではなかった。
それこそ、贅沢しないで一週間ほど海外旅行を楽しめるだけの金額はあったはずだが、それを防犯機能の乏しい車に隠しておくなんて、私からしたらとても考えにくいことであったが、それほど彼は気に留めていなかった。
そんな旦那が、私に気が付かれないようにと行動するのは、やはり何か裏があるとしか思えない。
そして、私は考えられる一つの答えを導きだした。
『浮気』『不倫』
この二文字が、頭の中を駆け巡り、私の精神まで支配しそうになっていく。
その日の買い物と夕ご飯は、今までで一番つまらない時間であった。
確かに彼を困らせたり、私の怒りの矛先を向けたときは一度や二度だけでなく、おそらく数えきれないだけ、傷つけてきたであろうが、裏切られるとは思ってもいなかった。
それ以上に、旦那を支えてきていたと、私は思っている。
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